2010年08月30日

経年劣化と経年美

経年劣化と経年美

これ、あるお宅の珪藻土の塗り壁です。外壁に使用されています。この壁、もう10年経ってこの状態。年数が経っているにも関わらず、"経年劣化"というよりも"経年美"が感じられます。日本でも海外でも、歴史とその古さに味わいのある建築物には木や石や土が使われる。自然由来の材料には、劣化の代わりに味わいが生まれます。味わいが生まれると愛着が出てくる。愛着によって、今度は長く住みたい、住み継ぎたいという気持ちがでてくる。その為にもお家へのお手入れにも気が入る。そうやって、世間でいう本当の意味での100年住宅っていうのができてくるんやないか思います。

経年劣化と経年美

これは漆喰の外壁です。お家を建てるときは、素材ひとつを考えてみても、それが時間の経過とともに味わいが増す素材かどうかっていうを考えないといけない。コストを優先させて人工的な規格品ばかりに走っても生活空間に潤いがなくなり、愛着も生まれない。しかし、自然素材ばかりを使うとコストもメンテナンスも大変。だから人工素材と自然素材を上手く組み合わせることが大事。でも、人工素材も進化しているし、自然素材もメーカーの企業努力でコストが下がっているものもあります。

積極的にこういった素材の情報を入手し、自分の目で確かめて、この人工と自然の組み合わせを上手くできるよう日々学んでいます。この壁を見て、あらためて考えさせられました。



Posted by Masakatsu Nishitani at 14:23│Comments(0)
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