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2011年12月05日

ひび割れつくり

工事中の現場です。木製ドアが2つ。これをアンティーク調にしたかったので、エイジング加工をおこなおうと考えました。劣化したような、錆びれたような、人の手が加わったような、そんな表現をしたかったのですが、塗装職人さんには「そんなことやったことない。」と言われましたので、設計者自らおこなうことにしました。


まずは、木の表面にバターミルクペイントという塗料を使用。この塗料は、ミルクから採取したミルクカゼイン(糊材)を主成分に天然顔料を使用したものです。アメリカの開拓時代から使用されているようです。メーカーは、アメリカの1816年創業オールドビレッジ社。水性で色調もよく、耐水性にも優れた材料です。これのダークレッドをまず塗ったくる。


からの、オールクラックアップという無色透明の塗装を上塗りします。これが、塗装を古くひび割れた状態にするための下地処理なんです。


からの、イエロウィッシュホワイトのバターミルクペイントを塗ったくって仕上げ。刷毛あとを残すためにあえて刷毛塗装です。すると...


先ほどのオールクラックアップ塗装をおこなった箇所にひび割れが現れます。割れると、下に塗っていたダークレッドが見えてきます。ドアを塗り直した感が出てくるんです。


ドアの枠も同じ手順で塗装をおこないました。ほんとに勝手にひび割れが現れてくるんです。なんでわざわざこんなことをするの?質感を求めるからです。古びたいい感じの質感を出すためです。なんでこの塗料じゃなきゃいけないの?味のあるレトロな色調を求めるからです。これからもこういうことをちょくちょくしていきたいと思います。  


Posted by Masakatsu Nishitani at 17:48Comments(0)

2011年12月01日

額縁庭園を学ぶ

額縁庭園とは、柱や梁を額縁に見立てて、一枚の絵のように風景の一部を切り取って鑑賞できるお庭です。


光明院のお庭。昭和を代表する作庭家、重森三玲さんが手がけたお庭です。3つの石の配置が見られますが、真ん中に如来様、脇に菩薩様、これらは仏様を表し、三尊石といいます。


宝泉院です。竹林が印象的です。このお庭、盤桓園(ばんかんえん)と言いまして、盤桓とは立ち去りがたいという意味で、ほんとに帰りたくなくなります。なんせ人が多かったので帰りましたが、こういうとこでお庭見ながら、横になってゆっくりしたいもんです。


詩仙堂です。砂地後ろに丸いサツキがあって、その背後にモミジがあります。ほんとはもっとモミジが赤くてサツキの緑とのコントラストが綺麗だそうですが、今年は紅葉があまり色づいていないのでちょっと残念。それでも綺麗でした。


蓮華寺です。あまり人はいませんでしたが、僕はこのお庭好きです。日本家屋、お寺もそうですが、基本的に暗い。そこに光と一緒にこういった風景が目に入ってくると感動します。お部屋も天井が高くて、明るいだけじゃ能がない。こういった空間の方がより落ち着くし、部屋にいても自然の美しさを感じることができます。こういう空間をつくっていきたい。もっと勉強します。  


Posted by Masakatsu Nishitani at 18:00Comments(4)

2011年12月01日

日本庭園を学ぶ


日本庭園の勉強に京都へ行ってきました。目的はお庭巡り。日本の枯山水、池泉庭園、露地といった独自のスタイルを目に焼き付けてきました。まずは、東福寺の方丈庭園。苔と敷石の市松模様。この敷石は廃材を再利用しているようで。


こちら霊雲院のお庭。植栽と石燈籠、つくばい、敷石があります。これらのアイテムは景物いう日本庭園の景色を創出するものです。これらの配置のバランスも絶妙です。夜も燈籠にろうそく灯したら綺麗なんやろうなぁ。


ここは曼殊院です。たぶん。どこがどこかわからんようになってきた...枯山水です。小石で池泉を表現しています。背景の紅葉とのコントラストが綺麗です。でも紅葉シーズンの京都は人が多過ぎる。ゆっくりお庭を眺める隙も暇もありませんわ。


これ、どこやったかいな。なんせ坪庭です。僕はどっちかと言いますと、こういう坪庭が好きです。京都の古民家にある坪庭は、なかなか一般公開されることがないので、こうのが見れると嬉しい。やっぱ苔がいい。苔は使いこなせるようにならなあきません。


これは蓮華寺のお庭どす。置かれている石にも色々と意味がありまして、ここの場合、舟石なるものがあり、舟が動いてるようにも見えます。石橋もいいです。

昔の日本の庭師の感性、しっかり感じてきました。やはり日本庭園は世界に誇れるもの。自分の建築にも取り入れていきたいと思います。この域まで達することができなくても、少しでも近づけるよう引き続き学んでいきたいと思います。百聞は一見にしかずです。  


Posted by Masakatsu Nishitani at 03:34Comments(2)