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2011年10月03日

家を持ちあげる。

自分も地元神戸で阪神大震災を経験した後、"地盤"については深く考えるようになりました。図書館で日本各地の断層の位置を調べたり。神戸の時もそうでしたが、今回の東北地方太平洋地震の後に液状化現象の光景が多く報道され、家を建てる側としてあらためて"地盤"の重要性を感じました。

土地探しや家探しのときは、日当たりや通勤通学のことなどを考える前に、地盤のことをよく考えなあきません。

現在、このタイミングで、傾斜地の傾いた建物の沈下修正工事の担当となったことから、その大がかりな工事を目の当たりにすることになりました。木造2階建ての家でも重量は数十トンあります。


今回、採用した沈下修正工事は、沈下量が少なく予算の都合もあった為、数ある工法の中でももっと安価なプッシュアップ工法を採用。それでも200~300万円はかかるんです。今は九州の業者さんが、関東方面に行っている為、業者さん探しから大変でした。基礎とお家の土台を切り離し、基礎はそのまま、お家だけを持ちあげます。しかも、こんな小さいので... それでも1個で数トン持ち上げるそうです。油圧ジャッキです。


この油圧ジャッキを10箇所以上設置して、少しずつ順番に持ち上げていきます。ミシミシミシッという音が木から聞こえてきます。基礎と土台を連結するアンカーボルトも一度、外してしまいます。そして持ち上げて、持ちあがった分の隙間にプレートやモルタルを充填していくんです。


その傍らで、この工事の職長さんが"手刻み"を始めました。昔の熟練の大工さんが建物の接合部に凹凸をつくる技術です。かっこいい... 職長さん、元々大工さんだったそうで、腐食とシロアリの食害にやられた土台もしっかり入れ替えてくれたんです。シブすぎる...


工事完了!最大で8cm下がっていた建物をフラットに戻してくれました。大変な工事でした。しかし、他の工法の話や写真を見せてもらいましたところ、他の工法のハードさにはびっくりです。このプッシュアップ工法でもまだ簡易な方だなんて... "地盤" しっかり考えていかなあきまへん!
  


Posted by Masakatsu Nishitani at 21:14Comments(0)