龍安寺で日本庭園を学ぶ

Masakatsu Nishitani

2012年02月22日 01:13


日本を代表するお庭であり、ユネスコ世界文化遺産でもあります龍安寺石庭を訪問しました。これだけ有名でありながら、作られた時期、作者、設計意図は明らかにされていません。雑誌「一個人~日本の庭園入門」では、作られたのは江戸時代初期、作者は小堀遠州という建築家、作庭家であった方ではないかという考察がされていました。謎の多い日本庭園に興味津々津々で臨むことになりました。


砂利が綺麗に整えられて、何にもないところにポツンポツンと石が配置されてます。潔さと言いますか、無の美とも言うんでしょうか、なんとも見ていて気持ちのいいお庭です。昔の日本人が持っていた独特の美的感覚とはこういう事なんでしょう。

しかし、この作庭意図には西欧的な手法もとられているそうです。ひとつは建築でよく使われるパースペクティブ。遠近感の強調による視覚的トリックです。平らに見える庭も、向かって右側奥の塀に向かって徐々に高く勾配がとられており、一方で配置されている石は奥に行くにつれて徐々に低くなっています。庭という限られた空間に広がりをもたせる手法だそうです。

また、石の配置には黄金比が見られるということです。最も美しいとされるプロポーション。完全な和の手法で作られたと思いきや、西欧の手法も取り入れられているのには驚きです。

また、ひとつのお庭からたくさんのことを学べました。


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