体育会系、フィトンチッドを浴びる。

Masakatsu Nishitani

2009年06月10日 21:15

フィトンチッドとは、ロシア語の造語であり、「植物から放出され他の生物を殺す物質」というのが本来の意味です。

木でいうと、セルロースなどの骨格をつくる部分とは異なる、それ以外の木に含まれる液体やにおいなどの抽出成分にあたります。植物の生育を阻害する生物、細菌などを抑制する、いわゆる人間でいうところの免疫です。

抽出成分の総称をフィトンチッドというのですが、その中に、α-ピネン1,8-シオネールという成分があります。このような成分は、人間に対して緊張をほぐしたい、安らぎを与えたり、心地よい眠りを促進したりする効果があるのです。森林浴で癒されるのは、このフィトンチッドが理由の一つとして挙げられます。



もちろんこういったフィトンチッド(抽出成分)は、木が切られてからも含まれているのですから、木造住宅は癒しの環境にあるんです。大工さんが言っていました。「大工は木の中で仕事しとるから、毎日森林浴してるのと同じったい。大工は穏やかやろ?高層ビルのコンクリート相手の職人はイライラしとるって。」...その通りかも知れません。



大工さん、森林浴中。木をふんだんに使った木造住宅は癒しのお家なのです。

フィトンチッドのような働きの他にも、木はアトピーの原因でもあるダニに対して繁殖を抑制する威力を発揮します。ですから、無垢の床材はいいわけですね。無垢の床は価格が高いイメージがありますが、節が入っていたり、色がまばらであれば、既成品に近い価格のものもあるのです。自然なものであれば、当然、節や色違いもあります。でも、逆にそれが味になったりもするんですよ。床に模様ができれば、天井や壁をシンプルにすれば、雰囲気もうるさくなくなります。

ちなみにこのフィトンチッドを使って、植物は危険を同じ植物に知らせたりすることもあるようです。においを伝達物質としているようです。植物って深いですね。

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