ふでゑ native Janapanese art

Masakatsu Nishitani

2010年06月14日 13:27

雑誌「BRUTUS」の特別編集「スラムダンク バガボンド リアル 井上雄彦」を購入。バガボンドが好きで、この絵を見ると反射的に買ってしまう。



しかし、この人の絵、魅力的です。

正確な線を引こうとおもったら、ペンや鉛筆など先の固いものを使えば、自分の描きたい方向へそれが走ってくれるんですけど、筆先は柔らかいからそうはいかんのですよね。でも、この井上雄彦さんはバガボンドで筆を使って正確な線を描いてはる。かと思えば、筆にしか表現できないぼかしや筆跡を上手く使って表現してはる。



この本の中で、美術史家の方が、昔の日本画の画家はみんな絵や線を筆で描いていたと、生まれてからずっと筆で描いているから筆を自在に操っていたと。井上さんの絵は、絵の走りや勢いを生かした絵柄と、動きを完全にコントロールした緻密な絵柄の2種類を自分のものにし、日本画家の先達に迫る画力があると評しています。

そう考えると鉛筆やペンは海外から日本に入ってきたもので、昔の日本人は筆を使っていたんですよね。僕は日本画っていうのは日本人にしか描けない繊細な絵で、世界に誇るべきものだと思っていますが、ほとんど鉛筆やペンで絵を描きます。僕も筆を使っていた日本人の遺伝子を継いでいるはずなんで、筆でも絵を描くようにしたい、そう思ったのでした。この雑誌を買ってから。

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