漆喰の"ねり"と"ぬり"

Masakatsu Nishitani

2010年02月19日 20:15

うちの物件で、内装仕上げに左官さんによる漆喰塗りがおこなわれています。

まずは、漆喰の材料を"ねる"ところからご覧ください。この材料は、地元福岡の老舗漆喰メーカー田川産業さんの城かべ。田川市で産出される石灰石からできた消石灰、角又(つのまた)や銀杏草などの海藻のり、植物繊維であるすさなど自然素材だけで構成される材料です。



漆喰は基本は純白色なので、今回は少し色粉を入れて着色しています。昔の左官さんは上に挙げた材料の海藻をゆでて糊をつくり、すさを加えて手作業て練っていたんですよ。今では、それがすべて混ざった状態で梱包されていますので、水を加えて練るだけ。そして左官さんによる"ぬり"の作業、匠の技をご覧下さい。



絶妙なコテさばきで漆喰を塗っていきます。コテにも様々な種類があり、それを使い分ける。日本古来から続く伝統的な職人技術です(映像の最後の人を除く)。塗りも二度、三度とおこなって仕上げます。この壁も二酸化炭素を吸着してどんどん硬化していきます。そして、もとの石灰石の壁へと戻っていくのです。石の壁ですよ。サンゴ礁や貝の化石ですよ。そう考えると素敵でしょ。

日本の伝統的な左官技術、自然素材をいかす先人の知恵 ... 決して見失ってはならないものです。

関連記事