体育会系昆虫記 ~シロアリと薬剤~

Masakatsu Nishitani

2010年11月11日 15:37

シロアリの勉強してます。シロアリの特性はとても面白いのですが、その防除には主に薬剤が使用されています。その中でも忌避剤と非忌避剤というものがあります。

忌避剤とは、即効性があり、シロアリが嫌がる信号を発します。うまく利用すれば予防に効果的で、シロアリの誘導にも使用できます。しかし、駆除となるとシロアリの集団や巣に直接処理できなければ駆除には至りません。そうなると薬剤の量も必要です。

一方の非忌避剤は、遅効性で、シロアリが薬剤の存在を認識できないんです。そして薬剤に接触したシロアリが巣に戻り、他のシロアリと接触してその薬剤を伝達します。これによって集団全体を駆除する可能性がありますし、女王までたどり着くこともあるのです。女王をやっつけないと、それは映画「エイリアン」を見て痛感したことです。薬剤の量も少なくて済みます。

近年は、この非忌避剤を一般的に使用しているようです。忌避剤は予防として、非忌避剤は駆除にと、うまく使い分けているようです。



しかし、薬剤はあくまでシロアリ防除の手段のひとつ。重要なことは、シロアリの生態を理解すること。シロアリの種類も違えば対策も異なる。蟻道などのシロアリの兆侯を入念に調査し、巣の位置や建物への侵入経路を見出していく。薬剤をムダに大量散布するのではなく、調査には手間をかけて適材適所適量の駆除法を考える。そういったことのできる業者を見極めるのも大事なことなんです。

シロアリなめたらあかんのです。どこのお宅にも侵入する可能性がありますし、ひとたび建物の構造体が食われたら、指がズブズブ入っていくくらいにまでなることもあります。そんなんで地震なんか来たらひとたまりもありません。実際にシロアリで傾いている家も何軒か見たことがあります。それくらい建築に大きな影響を及ぼす可能性があるんです。

建築には、構造、設備、防水、デザインなど様々なことがありますが、それらと同じくらい重要なこととして位置づけとかないといけないと思っています。また勉強すること増えますわ。教えて、ファーブルさん!