2010年12月15日

木船の木 ~棟梁のコダワリ~

古民家改築プロジェクト"one stubborn grandpa and eel's bed"(長いでしょ)、田川郡福智町にて進行中です。現在、躯体工事、金物補強をおこなっております。この段階では柱、梁、間柱、胴縁など、壁の中に入って見えなくなる部分の木組みがおこなわれています。杉の木が主に使用されるのですが、この現場の棟梁にはコダワリがありました。

木船の木 ~棟梁のコダワリ~

今回は、この現場の大工棟梁が、"飫肥杉"という材料を使用してくれていました。宮崎の日南で生育される杉で、江戸時代にここにあった飫肥藩によって植林が始められた歴史のある材料です。棟梁がこの木にコダワルのには理由があります。

木船の木 ~棟梁のコダワリ~

この地方で伐採される杉には、樹脂が多く含まれているため吸水性が低く、軽量で強度が高いことから造船用として盛んに利用されていたそうです。つまり、耐久性のある良質な木を使いたいというのがこの棟梁のコダワリだったのです。こちらからは何も指示していません。棟梁が自発的にこういった材料を選んでくれていた訳です。これは大工としての"差別化"だそうです。

木船の木 ~棟梁のコダワリ~

木船の木で古民家改築中です。古き良きものをより永く生かす、その為に材料にもコダワル。リノベーションの真骨頂ですね。

コダワリをもつ棟梁のブログはコチラ ⇒ 大工魂(だいくこん)




Posted by Masakatsu Nishitani at 15:01│Comments(0)
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