2010年07月26日

水が抜ける舗装

暑いですねー。うだるような暑さ。暑いのが地面から上がってくる感じしますでしょ?その中でも主にコンクリートやアスファルトで覆われた都市部、舗装された地表の温度がどんどんあがり、上昇気流が起きる。ヒートアイランド現象のひとつですが、この上昇気流が雨を降らせる積乱雲を発達させ、近年多発するゲリラ豪雨の原因とされています。

水が抜ける舗装

都市部の下水管などによる排水能力は、時間あたり50mmの降水量に対応するのもですが、年々この降水量を上回る雨の頻度が増えてきています。ゲリラ豪雨で時間あたり100mmなんてことになっちゃうと、排水能力がおっつかないんです。昔は自然が多く、地表が舗装されている割合がもっと少なくて、地面が水を吸収し、地下水へと移動、そこからゆっくり海や川へ流れてたんです。水が上手く循環していた。でも、今は地表が水を吸わんもんやから、下水や川へと水が一気に流れていく。浸水や洪水も増えるわけです。

水が抜ける舗装

そこで、最近TVでも紹介され、注目されているのが「透水性舗装」というもの。写真は、「よくわかる透水性舗装」(水と舗装を考える会編山海堂出版)から引用させて頂きました。上の写真の通り、通常の舗装は水を通しませんが、これは地下へ水を通すっちゅうわけなんです。自然な地下への水の循環を促すんです。

今ある水害の対策として、積極的に導入されている都市もでてきているようです。また、この「透水性舗装」の特徴の一つとして挙げられるのが「打ち水」効果と同じもの。日が照って乾燥すると、舗装内を抜けてった水や保水されているものが、地表で蒸発し気化熱を奪う。これにより地表温度の上昇を抑えるんです。都市部に芝生とこの舗装面積をどんどん増やしていけば、その効果は絶大です。

水が抜ける舗装

もひとつ驚きなのが、前述の書籍から拝借したこの写真。雨の日の道路標識って見えにくくて怖い思いしたことないですか?それがこのとおり、全然違いますでしょ。いいことづくしの透水性舗装ですが、価格や目詰まり、強度の問題などが以前はあったんです。でも、TVで価格が1.2倍にまで下がってきているって聞きました。目詰まり対策や強度の改善も進んでるようです。どんどん導入していって欲しい材料ですよね。住宅用にもこういった性能を持つ舗装やタイルもあるんですよ。長々と語ってしまいました。



Posted by Masakatsu Nishitani at 16:03│Comments(2)
この記事へのコメント
にしなっつさん、こんばんは^^
私もこのTV観ましたよ~
市の担当者さんが「目詰まり対策に費用がかかるんですよね」と。。
でも水害やヒートアイランド現象対策の費用も相当なものですし、
そう考えると1.2倍は安いのでは??と思うんですけどね~
こう毎日のようにゲリラ豪雨や熱中症のニュースを見たりすると
「早く導入して欲しい!」と思います^^
Posted by まろ at 2010年07月28日 20:18
まろさん、目詰まり対策は洗浄するみたいっすね。お金かかりそう。骨材に多孔質鉱石使えば、その孔に水の分子は吸収するけど、土や埃は入っていかないと思うんですけど。中国に行けばそういう安い鉱石がいっぱいあります。
Posted by にしなっつにしなっつ at 2010年07月30日 23:20
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