2010年01月28日

塗り壁伝道師

この石っころは何でしょう?

塗り壁伝道師

これは石灰石。漆喰の原料です。数億年前の貝やサンゴの堆積物、つまり化石です。これを焼いて、水に反応させて、すさや海藻糊などの材料を加えたものが漆喰。壁に塗られた後は、二酸化炭素を吸収して硬化し、再び石灰石へと戻っていくのです。

塗り壁伝道師

これは、石灰石を粉砕したものです。綺麗でしょ。漆喰の特徴のひとつにその美しい白さというのがあります。光をやさしく反射する白さでもあります。世界中で産出され、古くはピラミッド、万里の長城、ギリシャのアクロポリス、ボンベイ遺跡などでも使用されていた歴史のある材料なんです。ギリシャの島々やスペインや地中海の白壁もみんなこの石灰石を原料としています。

塗り壁伝道師

そして、これは珪藻土。珪藻という藻類の堆積物、化石です。色は少し茶色がかっています。電子顕微鏡で見ると、種を抜いた後のひまわりみたいな、ちょっと不気味な感じですが、水分の吸放湿性能が優れています。こちらは産出される場所が限られていることもあって、材料自体、漆喰よりは高価です。

塗り壁伝道師

粉砕されたものはこんな感じ。一般的に、漆喰はキメが細かく、珪藻土はざらついた、土感のある材料です。

塗り壁伝道師

そして、彼らが日本が誇る左官職人。左官の語源は、平安時代に、宮中の土木工事部門へ属(さかん)していたことで、官を与えられ、出入りが許されていたことにあります。高度な技術ということもあり、位の高い職業だったんです。

壁紙という安価で施工の早い量産品が一般化し、左官は減少の一途をたどりましたが、左官さんの企業努力や材料の改善ということもあり、費用も下がってきています。また、自然素材を生かすことや、これらの材料がもつ性能に付加価値を見出してくれる人々も増えていることも確かです。人々に自然素材に触れてもらうこと、左官職人が日の目をみることを願って、塗り壁伝道師としてやっていきます。



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Posted by Masakatsu Nishitani at 00:00│Comments(4)左官見習い Plastering
この記事へのコメント
左官屋さん万歳!珪藻土万歳!
私は珪藻土の白い家に住みます!いつかきっと。
ギリシャ、スペイン、イタリア、トルコなど白い町を見るったけ見てきたら。日本にも海の側に白い町あればいいな~~~。
Posted by yori at 2010年01月28日 00:38
yoriさん、白い家に住みたければ漆喰です。珪藻土は茶色いので。色もつきますが、顔料を入れないといけませんからね。漆喰の白が繊細で綺麗ですよ。yoriさんのお家は僕が建てましょう。
Posted by にしなっつにしなっつ at 2010年01月28日 12:31
あ”っ 単純に字間違えました(>。<)
 「漆喰の白い家」でした。
仕事だったらえらいこっちゃ!
ドクター・アスリート読ませていただいた後だったので頭の中が珪藻土になってました。夢を語るのに誤字してしまうなんてアホな私。
白いお家建てられるの、ヨボヨボ婆さんになる頃かもしれませんが、その頃にしなっつさんは「偉大な匠」になっているに違いありません。
今のうちに、ありがとうございます!お願いします!
Posted by yori at 2010年01月28日 23:28
yoriさん、よぼよぼばあちゃんになられる頃には間違いなく偉大はつかないけど、匠にはなってるでしょうから、任せてください。僕はまだその頃になっても筋肉質でいる予定です。それまで、このブログも続きます。
Posted by にしなっつにしなっつ at 2010年01月30日 00:10
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