2009年11月18日

体育会系ドイツ紀行

ドイツの中部にクヴェントリンブルクという街があります。第二次世界大戦の戦火を免れ、中世の趣きをそのままに残した街です。世界遺産にも指定されています。

建築物の特徴は、木造建築で柱や梁が壁から露出していること。伝統的な和風建築の真壁工法に似ています。ヨーロッパは石造建築が多いのですが、この街はその昔、商業が栄え、街の人々が力をつけて一時は独立を訴えたほどで、それを見かねた当時の国王が贅沢を禁止し、石造りの建築も禁止となったようです。そして、木造建築が広がっていったそうです。

体育会系ドイツ紀行

この街には、古い町並みの保存協会みたいなのがありまして、若い人々が生活費を支給されながら、職人から技術を学べるんです。1軒の家の補修に4年をかけることもあるそうで、若手に技術を教えながらおこなう為です。日本にはないですよね。日本じゃ丁稚奉公になって、継承したくても食っていけない。こういう継承者を育てる取り組みというのは、こういう街にはなくてはならないものなんでしょう。日本にだって世界遺産に成り得る街、いっぱいありますよ。どこにあるねん?って、「男はつらいよ」を見ればわかります。

この街の壁も土壁。昔の日本と同じです。左官鏝のようなもので、塗っていきます。やっぱ日本の左官さんの方がすごいな。

各々の家の形状や壁の色は違いますが、素材と木組みの建築という点で統一感がある。統一感がある上での、多様性っていうのは美しく、人を飽きさせず、惹きつける街並みづくりのポイントなんでしょうね。






Posted by Masakatsu Nishitani at 12:27│Comments(0)
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