2009年06月09日

体育会系の車窓から~フランス紀行~

フランスの南西部の小さな村、サンテミリオンという地を訪ねた日のことです。ぶどう畑の中にポツンとある村なのですが、ワインの産地として有名で、世界遺産でもある美しい街です。

体育会系の車窓から~フランス紀行~

天気がよかったらもっと綺麗なんです。広大なぶどう畑を抜けて、教会に向かって歩いていきました。自然に溶け込んだ建築というのは、こういうものなのだと、この風景を見て強く感じました。ここの土壌は、漆喰の原料である石灰と粘土からできており、良質なワインを生み出す環境にあるそうです。

体育会系の車窓から~フランス紀行~

この地の建築は、組石造と言い、石を積んで造る家です。この石の質感、素晴らしい...数百年経っても本物の石の建築は、表面が風化したり、汚れたりしてもそれが味となり、歴史を感じさせる重厚感となります。ここの石の壁には、100年戦争の傷跡もいまだ残っています。

この地に住みたがる人は多く、それイコール古い家が売れる、イコール古くなっても資産価値がある。こういうのを本物の"200年住宅"っていうんですよ。

体育会系の車窓から~フランス紀行~

組石造の家は、地震などの水平な力に弱いですから、日本で同じものを造るのは難しいでしょう。ですが、現在は、耐震性を持たせる為に、石をくり抜いて、鉄筋やコンクリートを流し込み強度を持たせるということもしています。

石造りの家、石畳、煉瓦、ブドウ畑、空...まさに街全体が自然と調和しています。ワインの味がわからなかったのが、残念。また訪ねたい街です。

ちなみに、こういう石の街にもシロアリがいるんです。何ででしょう?原因は地下にあるワインセラー。ワインの保存には適度な湿度が必要で、調湿機能をもつ木材がワインセラーには使用されているんです。水と木が地下にあるから狙われるんですねー。




Posted by Masakatsu Nishitani at 22:02│Comments(2)
この記事へのコメント
この風化した感がたまらないですね!200年ですか。
新しい物で出そうと思っても出せない重みがあります。
ワタシの夢はいつか南仏やイタリアの田舎の風景をぶらーり見て歩く
ことです。
Posted by みやちゃんみやちゃん at 2009年06月09日 22:56
南仏とイタリアはいいですねー。僕も行きたいっす。特にイタリアのシシリア島とフランスのプロバンスにリゾート建築の勉強に行きたいんです。ゼッタイ行きましょうね。
Posted by にしなっつにしなっつ at 2009年06月10日 20:13
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