2009年05月21日

体育会系左官見習い ~ヌリカベーゼ~

ベーゼ、フランス語でbaiserと書きますが、口づけという意味です。塗り壁に口づけ...ヌリカベーゼ...

自然の土を使用した塗り壁を愛する体育会系塗壁見習いにしなっつです。本日のテーマは「珪藻土とは何ぞや?」です。自然素材ブームで一躍有名になった珪藻土。何者なのでしょうか。

珪藻土は藻の堆積物、つまり藻の化石なんです。日本では、石川県や秋田県が産地として有名です。↓こんなんです。

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珪藻土は濾過助剤や土壌改良材として利用されており、水分を多く保持することができます。その理由は、珪藻土の構造にあり、下の写真にあるように0.001mmから1mmの大きさの孔が無数にあります。これを多孔質鉱石と呼びます。この珪藻土を焼くことによって、この孔がギュっと縮まり、水分子を吸着しやすい大きさにしているのです。水を吸いこむ仕組みは毛細管現象、タオルを水につけていると繊維間の孔が水を吸い上げるのと同じ現象です。

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この構造により、壁に塗ると室内の空気中の水分を吸着します。しかも、空気が乾燥すると、吸着していたものを放出するのです。この吸放湿性能を持つことが、珪藻土壁が湿度調節機能を持つと言われる所以です。ジメジメした夏は吸湿して体感温度が下がり、乾燥しがちな冬は室内を適度な湿度に保ちます。
夏のエアコンの除湿機能は、通常の運転の2~3倍電気代がかかります。冬の相対湿度は30%以下と乾燥しがちで、インフルエンザ等の細菌が繁殖しやすいのですが、そういった問題を自然の力で解決してくれるのです。また、空気中の臭気や有害物質も吸着する能力があります。アトピー患者の方の症状が改善されるという話もよくあるそうです。

多孔質構造を持つものは、木材、炭、その他の鉱石にもありますが、その中でも特に、この吸放湿性能が優れています。しかし、この更に上をゆく性能を発揮するものがあります。珪藻頁岩です。

珪藻頁岩とは、この珪藻土が、地熱によって岩石化したもので、その生成にはおよそ数万年かかると言われています。ロシアや北朝鮮に大きな産地があるようですが、日本では北海道稚内が国内唯一の生産地だそうです。 この鉱石を使用した塗壁材も市販されています。

しかし、こういった性能も製品の成分、塗り壁の面積、厚みが影響しますので、それも考慮しなければなりません。

クロスよりも価格は高いのですが、その分付加価値も多くあります。土と接するナチュラルな生活、おススメです。

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Posted by Masakatsu Nishitani at 18:51│Comments(2)左官見習い Plastering
この記事へのコメント
珪藻土はいいですよね、憧れです。でもこんなエコ効果があったんですね。
あの質感がいいんだなー。いいなあ。
Posted by みやちゃんみやちゃん at 2009年05月21日 23:22
みやちゃんさん、珪藻土いいですよね。僕はその質感から漆喰派なんですけどね。珪藻土の性能も製品の成分、塗り壁の面積、厚みが影響しますので、それも考慮しないと、市販のものはピンキリです。とにかく土はいいですよ。
Posted by にしなっつ at 2009年05月23日 11:34
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